学生ビザの申請|基本知識と必要書類をわかりやすく - フォルクフーグスコーラ留学
学生ビザ(留学のための居住許可)を申請しよう
フォルクフーグスコーラ留学に欠かせない”ビザ”。
「スウェーデン 留学 学生ビザ」で調べても、いまいち検索結果にピンと来なかったり『これで合ってるのかな』と不安になっていませんか?
留学先の学校へ入学が決まった後、本格的に渡航準備が始まりますが、この辺りから”英語やスウェーデン語で検索しなければ”欲しい情報を手に入れにくくなっていきます。
筆者が自力でスウェーデンの学生ビザについて調べていた時も、参照するサイトなどでは「学生ビザ」という単語が使われていなくて疑心暗鬼になったものです。
渡航準備の中でも学生ビザの手配は一番複雑なステップに位置づけられると思います。
スウェーデンの移民局の公式サイトは、英語を選択できるのが幸いですが、慣れない作業や多岐にわたる申請項目などで疲弊しがち。
本記事では、ビザ申請(留学のための居住許可/Residence permit for studies)に関する基本情報について、そういった”不安や心配、疲弊”を払拭できる役立つ情報をすべて日本語で解説していきます。
この記事で分かること
✓ ビザの基本情報
✓ スウェーデンへ留学する際の渡航ルール
✓ 学生ビザ(居住許可)申請に必要な書類
✓ 留学期間別のメリット・デメリット
(所要時間: 約10分)
『ビザ』?『居住許可』?
まずは普段からよく聞く『ビザ』についておさらいしましょう。
下記で引用している通り、基本的に他国へ渡航する際はパスポートとビザが必要となります。
渡航目的によって「就労ビザ」「学生ビザ」「ワーキングホリデービザ」などいくつか種類が存在します。
ただし短期間または観光目的の渡航は、ビザの提示なしで入国できる場合もあり、国々、国家間の規定によって定められています。
”査証(さしょう)または ビザ(英: Visa , Travel visa)とは、国家が自国民以外に対して、その人物の所持する旅券が有効であり、かつその人物が入国しても差し支えないと示す証書である。
・・・
査証の主目的は、外国人が入国するにふさわしいかを事前判断する身元審査である。”
(Wikipedia " 査証 " より引用/2025年9月閲覧)
『シェンゲン協定国』スウェーデン
さて、スウェーデンはシェンゲン協定国といって、ヨーロッパの国家間における査証審査がなく国境を越えられるという『シェンゲン協定』の加盟国となっています。
また、基本的にスウェーデンへ渡航する際は渡航ビザ(シェンゲンビザ)が必要となりますが、日本国籍を保有する人が観光・知人訪問・出張や研修等でスウェーデンへ渡航する際は、以下の規定の範囲内であればビザ取得は免除されています。
ビザ取得が免除となる規定
- パスポートの有効残存期間:
- シェンゲン領域内での滞在期間:
シェンゲン領域国からの出国予定日から3ヵ月以上残っており、かつ、10年以内に発行されたパスポートであること
あらゆる180日の期間内で最大90日間
91日を超える留学の場合
90日を超える滞在の場合は『居住許可』を申請する必要があります。
この居住許可は、一般的に私たちが聞きなれた『ビザ』を指していて、スウェーデンでは『居住許可(Residence Permit)』という言葉が使われます。
つまり91日以上留学する場合は『留学のための居住許可(Residence permit for studies)』(いわゆる 学生ビザ)が必要となります。
この居住許可はスウェーデン移民局の公式ウェブサイトよりオンライン申請できます。
日本国籍を持つ人は発行手数料が無償となっています。
出典:スウェーデン大使館 渡航ビザ(シェンゲンビザ) ※2025年9月閲覧
※最新情報は公式ウェブサイトで必ず確認してください
- Tips -
日本人国籍を有する場合、留学/渡航が …
90日以内 ➡ 渡航ビザは不要
91日以上 ➡ "居住許可"の申請が必要
居住許可とパーソナルナンバー
渡航目的によって申請するビザの種類は変わります。
留学の場合、大学(学士・修士課程)とそれ以外の学校で申請フォームの種類が分かれていて、フォルクフーグスコーラ/FHS留学での居住許可申請は、”A permit for other studies/留学のための居住許可”に該当し、このビザにはスウェーデンで就労する権利が与えられません。
留学期間が3ヶ月以上の場合は居住許可の申請が必要になります。留学の場合、居住許可は1年ごとに更新する必要があります。
また、1年以上居住する場合は、更に パーソナルナンバー (Personnummer/国民識別番号) というIDの取得を申請することができます。
これは有料で申請し、審査に通れば発行されるIDのことで、病院や警察でのID提示、銀行口座の開設等にも利用することができます。
居住許可証 (Uppehållstillståndkort / Residence permit card)
移民局(Migrationsverket)からスウェーデンでの居住許可が下りたら、その権利を証明する居住許可カードを取得します。
カードには自分の顔写真と指紋を含むデータが埋め込まれています。
滞在中の国外旅行等でパスポートと共に提示は求められますが、あくまで居住許可の権利を証明するもので、公的なIDではありません。
パーソナルナンバー / 国民識別番号 (Personnummer / Person number)
少なくとも1年間スウェーデンでの居住をする際に必要となる公的なIDのことです。個人番号 / パーソナルナンバー と呼ばれていることが多いです。
税務署(Skatteverket)に登録するとIDとして識別番号が発行されます。このPersonnummerがあればスウェーデンで銀行口座が開設でき、Swishという送金システムも利用可能になります。
※1年未満の留学においてパーソナルナンバーは発行できません。
ID発行は入国後すぐに申込みし(有料)、審査に通ると税務署で出向き登録が必要となります。(審査に落ちた場合でも申込み料は返金されません。)
詳細は税務署の公式ウェブサイトを確認してください。(以下リンク:英語ページが別窓で開きます)
学生ビザ(Residence permit for studies)申請の流れ
スウェーデンのビザ(居住許可)について理解したところで、ここからはさっそく居住許可を申請する流れについて進めていきます。
学生ビザ(留学のための居住許可)の申請は、スウェーデンの移民局(Migrationsverket)の公式サイト上で可能で、英語に切り替えることができます。
説明や指示に沿って進めていけば、比較的簡単に手続きを進められます。落ち着いて一つひとつ確認していきましょう。
必要書類の手配 ➡ オンライン申請 ➡ オンラインのパスポート確認 ➡ 大使館(東京)でパスポート確認 ➡ ビザ書類の発行(郵送) ➡ 移民局の往訪予約
申請に必要な書類
学生ビザ申請に必要な書類一覧
- 有効なパスポート
- 入学許可証
- 海外旅行保険の契約書*
- 残高証明書
②③はそれぞれPDFと紙面で準備しておきます。
PDFはビザ申請で、紙面は空港の入国審査で使用します。PDFはスマホに保存しておきましょう。
*クレジットカード付帯の海外保険は適用されません
残高証明書
居住許可の申請には、留学を遂行できる十分な資産(留学中の生活費)があるかの証明書が必要となります。移民局の申込説明画面に毎月の生活費の推奨額が記載されていて、その金額は都度変動します。
2025年に申込む場合、ひと月 10 584SEK(約173,000円)✖ 滞在月数以上の資金証明書が求められます。(2025年9月時点)
最新の情報は各自でご確認ください。以下リンクから該当ページを英語で読むことができます。
残高証明書の発行は、銀行や郵便局など自身の口座を持つ窓口へ行き、英語またはスウェーデン語で発行してもらう必要があります。
筆者は郵便局を利用しましたが、窓口で依頼すると20分ほどで英語版を発行してもらえました。千円弱の発行手数料がかかりました。
居住許可発行の手順
サイトの申込画面は、かなり丁寧に必要な書類や流れについて説明されています。各項目の選択も分かりやすく、先々のページでも詳細に概要や注意事項を記載してくれています。
申請項目が多く、全ての項目への記入が終わるまでに時間がかかるため、都度下書き保存しながら記入を進めることをおすすめします。
(以下リンク:英語対応ページです)
居住許可を発行するまでの手順(筆者の実体験ベース)
- 移民局の公式サイトで居住許可の申請
- 審査通過の通知をもらう
- デジタルパスポートチェックの実施
- 移民局でのパスポート承認
- スウェーデン大使館へパスポートチェック ※2024/7以降はスキップ
- 居住許可の承認
- 最寄り移民局(現地)への往訪日のオンライン予約
- 居住許可カードの申請 【渡航後、現地にて】
- カードの発行 【渡航後、現地にて】
|上記必要書類を添付し申請
|入力に時間がかかるため、適宜、入力内容の一時保存を忘れない
|移民局の通知メールに従って 3 の手続きへ進む
|frejaというアプリでID認証を行う
|移民局の通知メールと同時にスウェーデン大使館より通知メールが届く
|スウェーデン大使館の指示のもと直接出向き、パスポート確認
|日時指定不可、手続きは10分程度で完了
|5.と同日に移民局より申請許可の通知
|数日後、大使館から郵送にて渡航書類が届く
|移民局公式サイトで訪問日のオンライン予約をする
|最寄りの移民局へ出向き、専用ブースで顔写真と指紋を登録する
|約2週間後、カードが発行され手元に届く
*2024年7月より、デジタルパスポートチェックが可能になりました。これの利用によって、大使館への本人出頭が不要となります。(手順5が不要)
居住許可の取得にかかる日数
筆者の場合、申請から発行まで1ヶ月弱の日数がかかりました。大体1週間程度で手順1~3が終わり、2週間後に大使館へ出向いた後は数日後に書類が届きました。
事前準備のおかげか、ミスすることがなかったので予想していたより迅速な対応で少し驚きました。居住許可申請に不備さえなければあっという間に事が進みます。
2024/7~ 大使館の往訪が不要に
大使館の往訪は2024年7月以降、移民局でのデジタルパスポートチェックをもって本人出頭不要となったようです。詳細はこちらをご確認ください:
併せて読む:
現地、移民局の往訪についてはこちらの記事で詳しく解説しています:
留学期間のメリット・デメリット
留学期間が短期になるか長期になるかは受講するコースによりますが、個人的にはパーソナルナンバーを発行できる1年以上の留学をおすすめします。
筆者はパーソナルナンバーなしの長期留学(10カ月半)でしたが、このパーソナルナンバーがないことで、支払いや諸々のサービス登録・手続きなどで面倒なケースが多かったです。
例えば、支払いに関して振り返ると、スウェーデンはキャッシュレス社会なので現金を使う機会がほぼありません。
基本的に、銀行口座と直結している支払いシステム『Swish』での支払いが当たり前なので、学校内のバザーやカフェイベント、クリスマスマーケットなどの催しに参加した際、Swishもなく現金の持ち合せも少なかった時は不便に感じました。
パーソナルナンバーのメリット
病院、薬局、警察などの生活のインフラであると便利になることはもちろん、学生向けのキャンペーンや特典を利用する為の会員登録にもパーソナルナンバーが必要となります。
筆者の場合、パーソナルナンバーがないことで学校の傷病保険が適用されなかったり、スーパーや薬局などいくつかのサービスが利用できなかったり、少しもったいないなと思う出来事が多々ありました。
サービスによっては、問い合わせればパーソナルナンバーなしで利用することもできますが、手間も日数もかかって煩雑でした。
こうした面では、1年以上の留学にすればよかったと少し後悔することがありました。
| 期間 | 良い点 | 懸念点 | ビザ申請の有無 |
|---|---|---|---|
| 数日~ 3か月(90日)未満 |
・長期休暇中に体験できる ・ホームシックになりにくい |
・寮利用不可の短期コースが多い ・宿探しが必要 ・短期すぎるとコスパが悪い |
不要 |
| 3か月~1年未満 | ・集中して深く学べる ・現地生活を満喫できる |
・十分な資金が必要 ・社会人は退職が必要 ・PN*申請できない |
必要 |
| 1年以上~ | ・集中して深く学べる ・現地生活を満喫できる ・PN申請できる |
・十分な資金が必要 ・社会人は退職が必要 ・人によってホームシックになる |
必要 |
*PN:パーソナルナンバー。審査に通ればSwishが利用できたり学校の傷病保険が適用されることも。
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