留学前の公的手続きを整理|保険・税金・在留届など - フォルクフーグスコーラ留学

スウェーデンのハイイロガラスの群れ

公的手続きまとめガイド

本記事では、社会人留学者をベースにした渡航前に済ませる必要のある公的手続きや支払いについてまとめています。

紹介している公的手続きのほとんどは、マイナンバーカードを発行していれば『マイナポータル』という専用サイト/アプリからオンライン申請できるようになっています。

これに加えて、日本を離れている間に発生する支払い関係も、渡航スケジュールを立てる段階で 一通り見直しておくことをおすすめします。

この記事で分かること

✓ 留学前に必要な公的手続き一覧

✓ 各手続きの概要・注意点

✓ 公的手続きQ&A

(所要時間: 約10分)

留学前に必要な公的手続き

留学前に発生する公的手続き(申請・納付)+αについて一覧にしてみました。公的手続きに関しては、次の章から順に解説していきます。

渡航スケジュールを作成するタイミングで公的な申請や支払いについて、情報を整理してTO-DOに組み込んでおきましょう。

留学前に発生する公的手続きリスト
手続き名 申請・納付先 必要書類 期限 マイナポータル
申請可否
退職 1.加入保険の切替 区役所 マイナカード
離職票
退職後すぐ
2.国民年金基金
(加入/納付)
年金事務所 マイナカード
年金手帳
退職後すぐ
3.住民税の納付 市区町村 納付書 翌年6月頃~ 不可
渡航 4.転出入届
(部屋の退去)
区役所 マイナカード
退去時 転出届のみ
5.海外への転出届 区役所 マイナカード
本人確認書類
渡航14日前~ 不可
6.在留届 外務省
専用サイト
- 渡航90日前~
その他
(あれば)
運転免許証の更新 免許センター 運転免許証 誕生日の
前後1か月内
自動車税・
固定資産税・
各種保険の納付
民間郵便物・
サブスク・
資格更新の管理

1. 加入保険の切替え

海外留学で長期間日本を離れる場合、ほとんどのケースで仕事を辞めることになると思います。会社の退職と同時に社会保険から脱退となる為、国民健康保険へ切替えて支払う必要があります。

この手続きは基本的に市町区村の窓口で行います。
(一部自治体ではマイナポータルでの電子申請も可能なようです。詳細は各自でお確かめください。)

加入している保険の切替えと支払い

退職後1週間ほどで、会社から離職票や健康保険資格喪失証明書が郵送されます。それらをもって区役所へ行けば、社会保険から国民健康保険に切り替える手続きを行えます。

原則として資格喪失日から14日以内に手続きする必要があります。社会保険加入の延長申請もできますが、ここでは割愛します。

日本に住民登録をしている人は、公的医療保険に加入する義務があるので、切替えせず保険を未加入でよいケースは、離職後すぐに渡航する場合に限ります。

また、住民票を実家に移す場合、親の扶養の元、保険に加入することも可能です。(その場合 世帯主が保険料を支払うことになる)

退職後・・・

  • すぐ渡航する場合
  • 保険加入せず渡航は可能。ただし、海外への転出届を出す必要があります。
    注意点:一時帰国、帰国後加入するまでの日本国内の医療費は10割負担。

  • 渡航まで一定期間がある場合
  • 国保への切替えをします。1年以上の留学時は「海外への転出届」を出し、国保から脱退となります。

保険証のイメージ画像

国民年金基金

会社雇用では給与から厚生年金保険が差し引かれていましたが、退職後は国民年金に加入し、各自で支払う必要があります。
この手続きはマイナポータルから電子申請が可能です。

マイナポータルを利用しない場合、区役所へ行き加入手続きを行いましょう。退職後、経済的な状況から年金の支払いが難しい場合は、延納や免除の申請手続きができます。

海外への転出届を出した後、将来の年金受給額を増やす目的で年金を支払い続けることもできます。

必要書類:

  • マイナンバーカードまたは基礎年金番号通知書/年金手帳

年金に関する詳しい内容は以下の公式ウェブサイトを確認してください:

 年金手帳のイメージ画像

3. 住民税の納付

退職の翌年に「住民税」の納付通達が届きます。住民税は前年の所得に対して課税されますが、退職時期によって給与や退職金から差し引かれる場合と自分で支払う場合(普通徴収)に分けられます。

退職する時期が—

1月1日~5月31日:残りの住民税が最後の給与と退職金から差し引かれる
6月1日~12月31日:退職後に納付書が届き、自分で支払う

普通徴収の場合、納付書は大体6月頃に届いて年4回に分けて支払うのが一般的ですが、留学する際は渡航までに全額支払っていくのがベストです。

低コストで留学する裏技?!

留学前の出費を抑えるために12月中に退職し、12/31までに渡航するという方法があります。

住民税は、1月1日時点で日本国内に住所がある人に対して前年の所得に基づき課税されるので、1月1日に日本国内に住民票がない状態にしておくことで留学中(翌年度)の住民税を非課税にすることができます。

ただこの場合のfHS留学では春学期スタートの留学となり、長期コースがない/少ない可能性があるので、綿密な計画が必要になりそうです。

 納付書のイメージ画像

4. 転出届(部屋の退去)

現在 賃貸で一人暮らしをしている方で長期留学予定の場合、ほとんどの方は部屋の退去を選択することになると思います。

退去後すぐに渡航しない場合、一時的に実家に戻る選択肢をとる方もいるかもしれません。

住まいの退去で必要なこと

  1. 転出届(部屋の退去時)
  2. マイナポータルから電子申請が可能です。

    住まいを退去する際は、区役所へ転出届を出す必要があります。届け出は転出の14日前から行えます。

    退去後、すぐに渡航する場合は海外への転出届として処理されます。

  3. 転入届(一時的に実家へ戻る場合)
  4. 転入届は来庁予約のみオンライン予約ができ、手続きは市町区村の窓口へ出向く必要があります。

    一時的に実家へ住民票を移す場合は転入届を出します。届け出は転入の14日前から行えます。

  5. 家財や私物を保管するスペースの確保
  6. 部屋の退去時に、手元に残す家財や所持品を保管する場所を確保しましょう。一般的に、実家で預かってもらうか倉庫のレンタルサービスを利用する方法があります。

    金銭的に余裕のある場合、住まいを賃貸し続けることも選択肢に入りますが、何かあった時のために私財管理をしてもらえる国内の代理人を設けておくと安心でしょう。

トラックのイメージ画像

5. 海外への転出届

長期間日本を離れる際は、基本的に「海外への転出届」を区役所へ提出し、自身の所在が日本にない状態(住民票が日本にない状態)にします。

転出届を出している期間の納税・保険や年金の支払い義務は発生しません。この場合、一時帰国をした際の通院は全額自己負担になります。年金に関しては帰国後に「追納」という形で支払うことができます。

転出入届は、転出/転入の14日前から行えます。必要な方は忘れずに手続きを済ませましょう。

「海外への転出届」をしない場合

海外への転出届を出さずに渡航する場合、実家など仮の住所への転入届を出して国内での所在場所を明らかにする必要があります。

1年未満の短期留学では、転出届は出さなくても問題ありませんが、健康保険や年金の支払いが発生します。留学期間中の年金の支払いが難しい場合は、延納や免除の手続きをあらかじめ行っておくことをおすすめします。

年金に関する詳しい内容は以下のウェブサイトで確認してください:

日本年金機構(国民年金保険料の追納制度)
日本年金機構(国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度)

地球一周のイメージ画像

6. 在留届

法律上、3か月以上の海外滞在では”在留届”を提出する義務があります。

在留届を登録しておくと、現地生活に必要な情報を受け取れたり、事件・事故発生時に迅速な支援が可能になります。また、領事窓口サービスを利用できます。

在留届は、渡航90日前からオンラインで簡単に申請できますので、忘れずに提出しましょう。

『たびレジ』を活用しよう

また、この在留届と合わせておすすめなのが、たびレジです。

たびレジは外務省から旅行先の安全に関する最新情報を日本語で受信できる無料サービスで、在留届とは関係なく、渡航予定のあるなしに合わせて利用することもできます。

逐一スウェーデンやヨーロッパに関する情報が送られてくるので、安心・安全な生活や旅行のために登録することをおすすめします。3か月未満の旅行や留学の場合でも、ぜひ利用しましょう。

世界地図のイメージ画像

留学前の公的手続きQ&A

Q: 1年以上の留学で「海外への転出届」を提出せずに渡航してよいですか?

A: いいえ、おすすめしません。

1年以上日本に住んでいない状態で「転出届」を出さないことは不正方向とみなされる可能性があります。デメリットも多いので推奨しません。

海外への転出届を出せば、自動で国保・年金から脱退となるので支払う必要もなくなります。

一方で、1年未満の留学は本拠地が日本という扱いなので一般的に転出届を出しません。その場合、国保は支払う義務があります。

筆者は10か月の留学だったので海外への転出届を出さず、親の扶養に入りました。

Q: マイナンバーカードを作った方が手続きが楽にですか?

A: 基本的な手続きはほぼマイナポータルで済むので、かなり楽です。

区役所へ出向く必要が大幅に減り、進捗もすべてマイナポータルで確認できるのでかなり便利です。

筆者の場合、部屋の退去時の転出届を出す以外、すべての手続きをマイナポータル上、オンラインで行いました。

Q: 公的手続き以外で注意する手続きなどはありますか?

A: 民間郵便物やサブスク、運転免許証やクレジットカードの更新などの管理に要注意です。

公的手続きを除いて、サブスクや資格の更新、民間郵便物の届け先住所の変更などにも注意が必要です。一度、すべて洗い出して精査することをおすすめします。

特に運転免許証の更新が留学中にかぶってしまう場合、事前更新することができます。

また、留学中は日本の携帯電話番号が使えなくなります。

オンラインショッピングで必要なSMS認証の手続きを認証アプリに切り替えておくとよいでしょう。こちらの記事でSMS認証について記載しています。ご参照ください。

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