スウェーデン留学の支払い事情|現地口座がなくても安心して乗り切る方法

貨幣のイメージ画像

留学中の支払い方法を整理しておこう

北欧スウェーデンは電子マネーと電子決済の普及率が非常に高く、現金はほとんど使用されていません。
Wikipediaによると、2016年時点で日本の現金流通量が19.9%であるのに対し、スウェーデンはわずか1.4%ほどという統計からも分かるように、店舗や交通機関でも現金では支払えない場合が非常に多いです。(出典:Wikipedia"スウェーデン(経済)"/2025年11月閲覧)

本記事では、そんなキャッシュレス社会スウェーデンでの生活に必須となる支払い方法の種類についてまとめてみました。

準備不足のまま渡航してしまうと、現地で詰んでしまう可能性があるので、しっかり確認して準備万端の状態で留学生活に臨みましょう。

この記事で分かること

✓ スウェーデン留学での主な支払い方法

✓ 海外送金サービスの特徴

✓ 現地での外貨両替の方法

(所要時間: 約10分)

留学中の主な決済方法

キャッシュレス社会のスウェーデンでは、どの店でも現金ではなくクレジットカードや送金サービスでの支払いが主流となっています。

現金を使う機会はほとんどありませんが、個人店などの小さな店によってはSwish(スウェーデン独自の送金サービス)か現金しか利用できない場合もあります。

できるだけ複数の支払い方法を選択できるように事前に準備しておくことが重要となります。

スウェーデン留学中の決済の種類
種類 メリット デメリット
クレジットカード ・ポイントが貯まる
・現金が要らない
・海外事務手数料がかかる
・レートによって割高に請求される
・カード非対応の店等で利用できない
デビットカード ・クレカより手数料が安い傾向
・即口座から引落しされる
・現金が要らない
・海外事務手数料がかかる
・ポイントが貯まらない
・カード非対応の店等で利用できない
現金 ・レートを気にせず支払える
・個人店や少額の支払いに便利
・外貨両替が必要
・多くの店がキャッシュレス決済対応のみ
Swish ・個人間の送金は手数料無料
・クレカより手数料が安い
・ほとんどの店で利用可能
・Swish非対応の店では利用できない
・現地口座がないと利用できない
海外送金
(口座振込み)
・安全性が高い
・支払い履歴が残り管理しやすい
・手数料がかかる
・入力ミスによる誤送金のリスク

スウェーデン人のメジャーな決済方法”Swish”

みなさんは”Swish”という単語を聞いたことがあるでしょうか?(スウィッシュまたはスヴィッシュと発音します)
Swishはスウェーデン独自の送金システムのことで、携帯電話番号とBank IDという番号を紐づけ、自身の銀行口座から送金先へ入金することができる仕組みとなっていて、送金は相手の携帯電話番号を指定するかQRコードの読み取りによって行えます。

個人間はもちろん、店舗やマーケットの多くでもSwishによる支払いに対応していて、今やその普及率はスウェーデン国民の半数以上となっています。しかしこのSwish、実はパーソナルナンバー(スウェーデンでのID)を取得し現地の口座開設していなければ利用することができないのです。

1年以上の留学予定の方はこのパーソナルナンバーを申し込めるので、渡航後速やかに申請を行うことをおすすめします。一方で1年未満の留学者は申請対象外となっています。

現地の銀行口座を解説できれば、学校への支払いやちょっとしたお買い物、カフェでの支払いもわずかな手数料で楽しめますし、個人間の送金のやり取りは手数料無料で簡単に済ませられます。

Swishについて詳しく知りたい方や利用したい方は、ご自身で以下リンクをご参照ください。

Swishがなくても安心!海外送金サービスを利用しよう

学校へのサービス料や寮費の支払いは、基本的にSwishによる送金か口座振込(外貨取引/海外送金)となります。

Swishが利用できず日本の銀行から口座振込みするとなると、外貨取引ではほとんどの場合、送金手数料に加えて外貨換算手数料(為替手数料)がかかります。

例えば、海外送金手数料が銀行最安値と言われる楽天銀行から5万円を送金する場合でも、送金手数料750円+為替手数料3,000円で合計3,750円かかる計算になります。(2025年11月時点)

おすすめはWiseやPayPal

そんなときに便利なのが海外送金サービスです。筆者が行きついたのは、手数料がかなり抑えられるWisePayPalという通貨送金サービスでした。

Wiseでの送金は、為替手数料がかからず送金手数料のみ(数万の取引だと平均して0.6%程)で、さらに即時レートが担保された金額がわずか1~2営業日ほどで相手先口座へ送られます。(他行などでは規定タイミングのレートが採用される)

さらにデビットカードを発行すれば、Wise口座に送金しておいた資金から即時レートで引き落として買い物できるので、クレジットカード利用よりもお得になりやすく、資金管理も楽になります。(クレジットカード決済だと為替レートのタイミングを指定できず請求されるので割高になりがちなのです)

PayPalもWise同様に外貨での送金取引ができます。送金手数料自体は1回につき499円で、これに為替手数料が4%加わるようです。

それぞれの詳細は公式ウェブサイトをご覧ください:

各サービスごとの送金手数料 比較表 (5万円送金時)
サービス 送金手数料 為替手数料 合計 所要時間
Wise 約300円(約0.6%) 無料 約300円 1-2営業日
PayPal 499円 4% 2,499円 即時-数営業日
国内銀行 750円~ 3,000円~ 3,750円~ 2-5営業日
Swish 無料 無料 無料 即時

(2025年11月時点)

筆者が選んだのは”Wise” -10ヶ月の留学でWiseを使った記録

筆者は、手続きが簡単でデビットカードを発行できるという2つのポイントに惹かれてWiseを選びました。

私は毎月の寮費5,200SEK(当時レートで約73,000~80,000円)をWiseで送金していて、手数料は大体700~800円前後、10ヶ月で計 約7,000~8,000円の手数料がかかりました。

もし国内銀行から送金していた場合、合計手数料は最低でも毎月3,750円×10ヶ月=37,500円なので、Wiseのおかげで約30,000円の手数料のコストを抑えることができた計算になります。

現地で日本円を両替えしよう

基本的な支払いはクレジットカードや海外送金サービスがあれば問題ありません。

ですが、留学中はクリスマスマーケットや学校内でのイベント、バザーや出張カフェのような個人参加の出店を利用する機会があるかもしれません。

こういったごくローカルな催しや小さな出店系のお店では少額のやり取りが多く、その支払い方法は基本的にSwish決済や現金となります。

または、クラスメイトや友人間で買い物を代行してもらう時、現地の人々はSwishに慣れてるので口座番号などを都度確認する手間が発生します。送金サービスより現金を渡す方が早いと思うこともあるでしょう。

このようなクレジットカード決済ができないケースを想定して、ある程度現金を用意して選択肢を増やしておくと何かと便利です。

外貨の両替えは”FOREX”で

外貨へ両替えするには、日本で両替えするか現地でするかの二択になりますが、ドルやユーロなどの流通量の多い外貨以外は現地での両替えがお得になることが多いです。
両替えは為替レートで少しでも円高になるタイミングを狙いましょう。

現地スウェーデンでは”FOREX”という両替所で日本円の両替えが可能です。空港内や街中に、鮮やかな黄色い看板に黒字で”FOREX”と書いてあるのですぐに見つけられると思います。

パスポートと両替えしたい分の現金を持参すれば、窓口ですぐに対応してもらえます。(空港の両替所は手数料が割高になるようなので、最寄りの店舗を利用するとお得かもしれません)

FOREXの詳細は以下公式ウェブサイトをご確認ください。英語ページですが、両替えシミュレーターも試せますよ。

ATM利用も可能なWiseデビットカード

ちなみにWiseのデビットカードがあれば、街中のATMから即時レートで現地通貨を引き出せて便利です。日本のデビットカードより格安の手数料(約0.6%)で引き出せるので、FOREXでの両替えよりもお得です。

現在、スウェーデンクローナ(SEK)の為替レートは徐々に右肩上がりで、スウェーデン高/円安の関係が続いています。少しでもお得にお金を引き出せるようこういったポイントも押さえておきましょう。

支払い事情まとめ・Q&A

総括すると、スウェーデン留学の支払い方法は海外送金サービス、クレジットカード、少しの現金を準備しておけば大丈夫です!

  1. 海外送金サービス … 学校のサービス料や寮費、友人間の立替えに
  2. :格安手数料で現地口座へ振り込める

  3. クレジットカード … 普段の買い物、大きな買い物に
  4. :大きな買い物はクレカ払いにしてポイントを貯める

  5. 少しの現金 … Swishしか使えないマーケットや個人店、少額の支払いに
  6. :①も②も使えないとき用に。1~3万くらい持っておけば安心

これら3つさえ手配できていれば、現地の留学生活もちょっとした国内旅行なども怖いものなしです。
せっかくの長期滞在を満喫できるように万全に準備を整えておきましょう。

Q: 現地口座がなくても留学できますか?

A: できます。

Wiseとクレジットカードがあれば問題ありません。実際に筆者は現地口座なしで10か月の留学生活を送りました。

Q: WiseとPayPal、どちらがおすすめですか?

A: Wiseの方が安く利用できます。

100万円を上限として手数料を算出してみましたが、Wiseの手数料は0.6~0.7%台とお得です。PayPalは1回の取引ごとに送金手数料499円と為替手数料が4%加算されるのでWiseより割高になります。

Q: 現金はいくら持っていくべきですか?

A: 1~3万円程度で十分です。

現金が必要だった場面は、学校内のオープンカフェイベント、クリスマスマーケット、個人店、友人間の立替えなど、意外とその機会は多くありましたが、当時は両替えする前でした。

筆者は1万円を両替し、クラスメイトの日本での買い物を立替えて2万円ほど現金が増えましたが、それ以降は使う機会が減ってしまいました。

最終的に授業の材料費の支払いをSwishの代わりに現金にし、すべて使い切りました。

Q: Swishが使えないと不便ですか?

A: 多少不便ですが、工夫次第で乗り切れます。

友人に立て替えてもらう、現金を使うなどで対応できます。
1年以上の留学をするなら個人番号を取得して口座開設するのがおすすめです。

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